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業務上・通勤途中の交通事故は労災保険を使うべし

業務中や通勤途中に交通事故に遭った場合、労災保険(労働者災害補償保険)が適用されます。

 

この場合、健康保険は適用されません。

 

病院での治療の場合、健康保険は約3割の自己負担がありますが、労災保険では自己負担が一切ないというメリットがあります。

 

なので、業務中の人身事故の場合は、労災の申請をすべきです。

 

労災の申請をしようとすると、経営者から、「加害者が悪いのだから会社が払う必要はない。保険料も上がるからやめて欲しい」と言われることがあります。

 

しかし、業務中や通勤途中の事故は、業務災害と異なり、労災保険を使用しても保険料は上がりません。

 

もし、経営者が労災保険の適用をしぶったときは、保険料が上がらないことを伝えて、説得するとよいでしょう。

 

労災保険の適用を受けるための要件

労災保険の適用を受けるためには、「業務中の事由」あるいは「通勤途中」の交通事故である必要があります。

 

まず、「業務中の事由」には、就労中だけでなく、会社主催の行事や社員旅行も含まれます。

 

次に、「通勤途中」は、「住居と就業の場所との間を、合理的な経路および方法により往復すること」と規定されており、通勤途中で寄り道をした場合、通勤が中断されたとみなされ、それ以後の経路は対象外となります。

 

もちろん、例外もあるので、この点については会社の担当者とよく相談することが大切です。

 

労災保険給付の種類

労災保険給付の種類には、以下のようなものがあります。

 

①    療養補償給付

業務上の事由で病気やケガをした場合、労災指定病院などで必要な診療を無料で受けられます。

 

②    休業補償給付

治療のため4日以上休業した場合に支払われます。

 

③    傷害補償給付

治療後に、後遺障害が残った場合、等級に応じて傷害補償年金または傷害補償一時金が支払われます。

 

④    遺族補償給付

業務上の事由で死亡した場合、遺族に遺族補償年金または遺族補償一時金が支払われます。

 

⑤    葬祭費

業務上の事由で死亡した場合、葬祭を行った遺族、事業主、友人などに支払われます。

 

⑥    傷害補償年金

療養を始めてから1年6ヶ月を経過しても完治しない場合で、かつ傷害の程度が疾病等級の第1級から第3級に該当する場合は、休業補償給付に代えて、等級に応じた疾病補償年金が支給されます。

 

二重取りはできない

労災保険と自賠責保険の両方が使える場合であっても、同時に利用することはできません。

 

労災保険の保険金の方が先に支払われた場合、自賠責保険からの賠償金は受けられないことになっています。

 

逆に、自賠責保険の支給の方が先だった場合、労災保険の支給が一定期間(最大で労災発生後3年間)停止されます。

 

このように、二重取りができないように支給調整が行われます。

 

交通事故の場合は第三者行為災害が適用される

交通事故の場合、第三者行為災害届を提出する必要があります。

 

「第三者行為災害」とは、給付の原因となる事故が第三者(政府・事業主、および労災保険の受給権者以外の者)の行為によって生じたもので、労災保険の被災者およびその家族に対して、加害者である第三者が損害賠償の義務を有していることを指しています。

 

第三者行為災害によって労災保険が適用されると、労災保険者(国)は支払った分の給付金を、後ほど加害者もしくは加害者の加入する保険会社に請求します。

 

要は、被害者に対して国から労災保険の給付があっても、加害者の損害賠償義務が軽減されるわけではないということです。

 

労災保険の保険金の分は後で、国から加害者に請求されるわけです。